深泥丘奇談

深泥丘奇談 (幽BOOKS)

じわじわーっとひきずりこまれる幻想的な連作短篇集。作家（≒著者）の家と、ある病院の間を行き来する中で立ち上る数々の不思議な現象は、謎はあるが、答えはない。どこか居心地の悪い感じのままラストまで進んで行く。もちろん最後も別に答えはない。著者の作品の中ではホラーに位置づけられるもので、ミステリではない。唯一、悪霊憑きの話だけはミステリぽいな、と思っていたら、その話だけ「幽」ではなく、ミステリ短篇競作集「川に死体のある風景」のほうに書いたものだったそう。（あとがきで知った）なるほど、この連作に入るとより味わい深い。
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