チャーリーとの旅

チャーリーとの旅

チャーリーとの旅

ノーベル賞作家でもあるスタインベックが晩年に出かけた愛犬とのアメリカ一周旅行記。こんな旅がしたい!という犬好きの視点からも楽しめるし、それ以上にアメリカのことを著者が考えながら旅する思考の過程がおもしろい。決して決めつけない、だが、旅先でのこまごまとした事実からすくいとる分析は非常に興味深く、共に考えさせられる。終盤の人種差別の問題を目の当たりにしたところのくだりも、とてもよく書かれていて、いったいどうすれば解決できるのか(無理?大変!)という問題の深さが痛感できる。旅の楽しさ、苦しさ、犬への接し方、人との接し方……いろんなことが嫌味のない知的な文章で書かれていて本当に本当によい本だった。☆☆☆☆☆。