ゾンビーノ

壮絶な人類とゾンビの戦争が終わったあと、地上は柵で囲まれた人間が安心して住める場所と、柵の外のゾーンに分けられている。一部のゾンビはゾンコム社が作り出した首輪をつけることで人肉食への欲望を制御し、人間のコントロール化に置くことに成功していた。
−−そんな世界での普通の家族のお話。各家庭にゾンビが召使いや家政婦として働いているような状況なのだが、基本的には人間の言うことを聞くのみの、隷属状態。しかし、少年がゾンビの男の召使いとキャッチボールをしたりして心を通わせるうちに、しだいに変化が起きていく。さらにその変化は少年の家族にも影響をもたらしていく。その流れがとても丁寧に描かれ、コメディなのだが、なかなか奥深い。ゾンビ好きしか見ないだろうし、ゾンビ好きには物足りない面もあるかもしれないが、設定だけ考えるとめちゃB級テイストなものをここまでまじめにつくるのはすばらしい、と思った。