ドッグヴィル

おお。床にチョークで書かれた街路、家、犬……セットのような街で23人の住人と、そこに迷い込んできたニコール・キッドマン扮する謎の女が織り成す人間模様。正直言って後味は悪いですね〜。生々しい人間の欲望(特に性欲!)があからさまに映像になっているんで、付き合い始めたばかりのカップルにはおすすめ(嘘)。


しかし、断じてつまらないわけではありません。閉鎖的な村の独自のルールに苦しんでいくニコール・キッドマンのとった最後の行動は予測できたけど、すっきりしました。キーワードは後半何度も繰り返される“傲慢”と“赦し”。一人の人間が人を赦す、という行為は傲慢なのではないか? 傲慢を赦された人は傲慢なままなのではないか? 価値観の差異は埋められるのか? さまざまな疑問にきちんとニコールは彼女なりの結論を出します。それはそれまでの流れを考えれば受け入れられるものですが、観た人によって本当にいろんな考え方が語れそうな映画です。☆☆☆☆。