宇宙をぼくの手の上に

宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)

宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)

フレドリック・ブラウンの短篇集。東京創元社の「2007復刻フェア」(なんというシンプルなタイトルのフェア……)で復刻された一冊。だいぶ前に買って忘れていたのを偶然本棚から発見。9篇ともバラエティに富んでいて、「これを読んだら誰もがSFファンになってしまう」という表4の紹介文も納得。特にラストの「COME AND GO MAD」(翻訳のタイトルは問題があって書けない……)が個人的には好み。誰が狂っているのか? 何が狂っているのか? という問題は突き詰めて行くと証明できないような混乱に陥っていくと思うのですが、まさにこの話はそんな状況を、ものすごいおもしろい設定に置き換えて物語にしているんです。きっと何年後でも時代を超えて楽しめる本でしょう。