おくりびと

本木雅弘は本当にいい役者だなあ、と。やっと手にしたプロオーケストラのチェロ演奏者として地位は、オーケストラの解散であっという間に消失。田舎に帰り納棺師という職業についた主人公の、納棺師という仕事への意識の変化が巧みに描かれていく。一度その仕事の意味(山崎務が見せる納棺シーンは感動もの)を知った男は周囲の偏見にも、妻の悲しみにも動じない。やがて妻が理解をしてくれていくさまもていねいに描かれ、ラストの展開はちょっとできすぎ感があるものの、涙なしでは見られない。じんわりと心に残るいい映画でした。