ハートシェイプト・ボックス

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

20世紀の幽霊たち」にしびれ、すぐさま購入。こちらは長編デビュー作ということですがこちらもすごい完成度。キングの息子にしてロック好きということもあって個人的趣味にも合致しとても楽しめました。分厚い分だけたっぷりと楽しめるすばらしさ。


主人公のジュードはオジー・オズボーンのような功成し遂げたロック界の帝王。本書ではオジーカート・コバーンなどにも言及。愛犬の名前はアンガスとボンだし。そしてそんなロックテイストがただの飾りではなく、物語の展開にも、ジュードの行動にも大きな関わりをもって描かれています。


幽霊がネットオークションで売りに出されるという冒頭から、最初は恐怖で、後半は徐々にミステリのような謎解きでぐいぐいと読む者を引き込み、ちょっとだけ心温まる結末を迎えます。ホラー、ミステリをロックスピリッツで味付けした快作。映画化も進んでいるそうです。★★★★