ハートシェイプト・ボックス

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

ハートシェイプト・ボックス〔小学館文庫〕

20世紀の幽霊たち」にしびれ、すぐさま購入。こちらは長編デビュー作ということですがこちらもすごい完成度。キングの息子にしてロック好きということもあって個人的趣味にも合致しとても楽しめました。分厚い分だけたっぷりと楽しめるすばらしさ。


主人公のジュードはオジー・オズボーンのような功成し遂げたロック界の帝王。本書ではオジーカート・コバーンなどにも言及。愛犬の名前はアンガスとボンだし。そしてそんなロックテイストがただの飾りではなく、物語の展開にも、ジュードの行動にも大きな関わりをもって描かれています。


幽霊がネットオークションで売りに出されるという冒頭から、最初は恐怖で、後半は徐々にミステリのような謎解きでぐいぐいと読む者を引き込み、ちょっとだけ心温まる結末を迎えます。ホラー、ミステリをロックスピリッツで味付けした快作。映画化も進んでいるそうです。★★★★

ホノカアボーイ

今年37本目は癒し系。ハワイのホノカアタウンに大学を休学して住み始めた男の子の日常を描いた作品。ほとんど何も起こらない日常。なので何を書いても映画の楽しみを減らしてしまいそうなので、予告などでピンときた人は観たほうがいいのではないでしょうか。こんな時間、こんな場所を一時でも持つことができたら、日々が頑張れそうな気がする、そんな優しい映画です。


ちなみにけっこう笑えるシーンもあるので、少しも見逃せません。エンディングの小泉今日子の歌もいい感じ★★★★

バイオ・クライシス

28日後+ドーン・オブ・ザ・デッド+地球最後の男なんてポップでオススメされていたので借りてみたら……思っていたようなゾンビ映画ではなかったです。核戦争(細菌兵器なども使われた?)後に地下で生活をしている人々(10人程度?)が、いよいよ食料や薬がつき、奴ら(細菌に侵されゾンビのようになった人々)のいる場所へ調達しに行かなければならなり……という王道の展開になるのはいいのですが……。ゾンビといっても銃で撃てば(ヘッドショットでなくてOK)簡単に倒せるし、夜にはインビジブルと呼ばれる謎の存在が出てくるし、なんとなく世界観がよくわからないまま話が進みます。本当のラストのラストで初めて彼らの置かれた状況が明らかになります。設定はおもしろいのですが……なんか消化不良な感じ。★★★