働きマン

longredhair2005-12-30

働きマン(1) (モーニング KC)

働きマン(1) (モーニング KC)

ちょこちょこ読んでいたけど抜けばかりだったので単行本を買って読む。めちゃくちゃおもしろい。本が売れて営業の人が涙するところは本当によかった。こういうことって本当にある。でも松方に共感する人はどれくらいいるんだろう。会社の人に聞くと、そんなやつは嫌いだ、という意見も多数。ちょっと意外。自分はめちゃくちゃ好き。あまりにリアルで読んでいて胸が苦しくなった。にしても会社ってこんな奴らいるよなあ、という見事な人物描写がいっぱい。すべてが他人事に思えない。喫茶店でひとしきりいろいろ考える。


来年の会社のチームのテーマは「優しくして、優しくされたい」「愛」になったという(笑)。さて。今の現場を見ればそれはすごくわかる。若い子ばっかりになったし、女の子も増えたし、というか女ばかりだし。みんな将来が不安で、今、この職場だけでも安心して働ける環境にしたいという気持ちもよーくわかる。でも……自分が今まで会社で働いてきて、自分を支えてきた心情はよく考えてみるとテーマはむしろ「優しくされたくない、優しくしないし」だったような気がするので、微妙な気持ちになる。馴れ合いの現場ではクリエイティブな発想は生まれないと思うのだ。これは上司の受け売りだけど。


たとえばつまんない企画に、「うーん、発想はいいと思うけど実現は難しそうだね」とか言って相手を傷つけないようにしなければならない事態がすでに起こりつつある。昔は一蹴されて悔しくて次はがんばろう、という企画会議の図式が自然と成立していたように思う。でも今は相手が傷つかないように企画をジャッジする側がコメントに配慮している。そしてそのほうが企画を考えるよりめんどうくさくなっているというおかしな現象が起こっている。ここを読まれているのを承知で書くが。ま、いいか。「働きマン」じゃないけど、仕事って一回人格なんて崩壊させられてからいろんなことが見えてくると思う。それをしないように生ぬるく新人を扱ったとしても、その子は絶対に成長しない。一度叩き潰されて立ち上がるときに劇的な進化が生まれるのだ、絶対。ドラゴンボールサイヤ人が一度ぼろぼろになる(死ぬ)と強くなるというのはあながち漫画のできごとではないのだ!