「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い

あいかわらずとてもわかりやすい文章で、数字が苦手な人にもすらすら読める構成はさすが。各章の最初が小説仕立てなのも楽しめた。上下巻を読んだ印象は、方向性が途中でずれたのか、結論はちょっと煮え切らない部分もあった。だがそれだからこそ、著者の啓蒙活動はまだまだ続くようにも終われないようにも感じた。結局、著者の扱う会計という仕事も、時代に(ビジネスに)合わせて変化していくものなので、年々内容も変化するだろうし、読む者も当然変化していかなければならないという当たり前のことに気づかされた。あと、会計の話というよりも、人間として、考えることを止めたら終わりだなっていう普遍的なことを感じてしまう内容だった。