エッジ 下

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上巻の謎がラストに向けて加速度的に明らかになっていきます。後半は量子力学などの話になっていて、科学とオカルトと文芸が見事なバランス(ぎりぎりのバランス)で調和するSF?ファンタジー?(細かいことが気になる人はダメかも)でした。もちろん読んだ後に世界や宇宙について思いをはせると怖くもなります。そういった意味では帯にあるようにホラーともいえます。登場人物たちもいろいろな職種や考え方の持ち主がいて、ラストに向けて彼らが取る行動も読んでいてとても興味深く、ぐいぐい読まされます。著者の作品で言うと「ループ」の世界観が好きな人や、山本弘の「神は沈黙せず」や、もっと飛躍すると作中にも引用されているようにヴィトゲンシュタインの著作が好きな人が読んでも楽しめるかもしれません。結構好きです。★★★★